今回は禁煙に役立つ方法について紹介していきます。
現代において、タバコは健康に悪い、様々な病気のリスクを上げるということは周知の事実となってきました。
医療従事者は喫煙している人に対しては、必ず禁煙を勧めるようになっています。
禁煙のメリットですが、簡潔に述べると以下の通りです。
・禁煙することで、がんや脳卒中など、様々な病気のリスクを下げることができます。
・経済的にもタバコを購入しないことで出費が減ってその分資金に余裕ができます。
・咳や息切れなどがなくなって体調が良くなり、周囲に受動喫煙で迷惑をかけることもなくなります。
このように、禁煙することのメリットはとても大きいです。
タバコを吸っている方は、ぜひとも禁煙を検討してもらいたいので、今回紹介する記事も参考にしてもらえたらと思います。
目次
禁煙を始める前に
タバコは依存性物質である
タバコは大麻や覚せい剤よりも依存性が強力です。
タバコを簡単にやめられないのは意志が弱いからではなく、タバコに含まれているニコチンの強力な依存性が原因です。
ですので、禁煙に失敗したからと言って、自分の意志が弱いのだと思い込む必要はありません。
また、当然ですが1本吸えば、元の木阿弥ですので、1本も吸わないことが大事になってきます。
離脱症状
禁煙を始めることで、いわゆる依存物質からの離脱症状が出てくることがあります。
イライラ、頭痛、眠気、不眠などがよく見られる離脱症状です。
こうした離脱症状は禁煙を始めてから時間がたてばたつほど収まってくるので、禁煙を継続することが大事になってきます。
タバコは実はストレス解消にはなっていない
タバコはストレス解消になっているので、禁煙をするとストレス解消法がなくなると思われる方もいるかも知れませんが、実際は違います。
タバコを吸っている人は吸っていない人と比べて、普段の脳波レベルが落ちており、脳の機能が落ちている可能性があるのです。
タバコを吸うことで一時的に脳波のレベルが吸わない人と同じレベルに戻るのですが、その時の快感がストレス解消になっていると感じてしまっているのです。
実際は、タバコを吸わない時間は慢性的にストレスを受けてしまっているので、タバコを吸わない方がトータルで見てストレスは減ってきます。
電子タバコ・加熱式タバコを禁煙に利用するのはおすすめできない
紙巻きタバコから電子タバコ・加熱式タバコに移行して禁煙をしようとする方もいますが、その方法は基本的にはあまりおすすめできません。
理由としては、電子タバコ・加熱式タバコには紙巻きタバコに含まれていない有害物質が含まれており、まだその健康被害の実態というものがはっきり分かっていないからです。
紙巻きタバコよりも有害物質が少ないということで、タバコ販売業者は電子タバコ・加熱式タバコを勧めることがありますが、医学的な観点からは電子タバコ・加熱式タバコを利用して禁煙するのはおすすめできないのが現状です。
禁煙に役立つ方法
生活上の注意
タバコが吸える場所が近くにあると吸いたくなってしまうので、タバコを吸える場所を避けるのが大事になります。
また、口寂しい時は、ガムや飴を口に入れると口寂しさを解消することができます。
運動をしている時は、タバコのことを忘れられるので、運動を積極的にするのも役に立ちます。
禁煙本を読む
禁煙に役立つ本を以下に2つ紹介します。
私が以前、社内で禁煙の講演を行った時に紹介した書籍です。
相性もあるので、禁煙本が役立つ人とそうでない人がいると思いますが、本気で禁煙を考えている人は一度は読んでみることをお勧めします。
禁煙外来を利用する
禁煙治療ってどんなもの? | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
禁煙外来は、総合病院のほか、さまざまな診療科に設置されていて、医師が禁煙補助薬を処方して、治療の経過を見ていきます。
禁煙中の症状(離脱症状)が起こっても、診察で相談できるので、1人で禁煙を続けるのが辛いという方にもお勧めです。
薬局で入手できるニコチンガムやニコチンパッチに加えて、チャンピックス(バレニクリン)という禁煙補助薬を処方してもらえます。
チャンピックスは医師の診察がないと処方できない薬です。
また、現在は医師が処方する禁煙治療用アプリであるCureApp SCというものがあり、保険適用となっています。禁煙治療用アプリってどんなもの? | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
治療期間は3か月間になりますが、費用がかかるので、お金を出した分、禁煙を頑張ろうというやる気が起きますし、禁煙の最初の期間を乗り切るのが辛いという方に禁煙外来はお勧めです。
薬局でニコチンパッチ、ニコチンガムを購入する
薬局では上記のチャンピックスは医師の診察なしでは入手できませんが、禁煙補助薬であるニコチンパッチやニコチンガムは購入することができます。
禁煙の最初の苦しい時期にはこうした禁煙補助薬が役に立つ可能性があります。
タバコを吸えない環境を利用する
私は会社で色んな社員の方々と面談している中で、禁煙できたという方に時々出会うのですが、これまで何人かの方は病気で入院して病院にいる間はタバコを吸えないのでその時に禁煙できたと話していました。
入院のように環境が変わるタイミングを禁煙に利用するのも1つの手です。
長期の旅行をする、新しい職場に入る、仕事が忙しくなる時期等、環境が変わってやるべきことが多いタイミングであれば禁煙もやりやすくなるかも知れません。(ストレスが大きいとタバコを吸いたくなるという方には向かないかも知れませんが…)
禁煙成功者の力を借りる
禁煙成功者の話をネットの記事や動画で聞くことも禁煙の助けになります。
もし、友人や知り合いに禁煙成功者がいれば、その人に話を聞いて応援してもらうこともできるでしょう。
禁煙成功者の体験談をまとめたネット記事の例です。
たばこをやめたいあなたへ 私はこうしてやめられた 禁煙成功体験談 湯河原町保健センター
やめてよかった!社員の禁煙成功体験談 | 旭建設株式会社 – 宮崎県日向市 (construction.co.jp)
まとめ
以上、禁煙に役立つ方法についての紹介記事でした。
タバコをやめる意志さえ失わなければ必ず禁煙できると思いますので、あきらめずに禁煙に挑戦し続けてもらえたらと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
参考文献:日本禁煙学会 禁煙学 改訂第4版