今回は骨粗鬆症の予防についての記事です。
骨粗鬆症は骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
年齢を重ねると骨粗鬆症になる人が増え、人によっては骨折して寝たきりになってしまうこともあります。
高齢になっても骨粗鬆症にならないよう、予防に役立つ方法について紹介します。
目次
カルシウムを効率よく摂取する
カルシウムが不足すると骨がもろくなり、骨折しやすくなります。
予防のためには1日700~800㎎のカルシウムを摂取すると良いと言われています。
カルシウムは、乳製品、骨ごと食べる魚、殻を食べるエビ、大豆、葉物等に多く含まれます。
(※乳製品が合わない人は無理して乳製品を取らず、魚介類や野菜で補充してください)
食事からのカルシウム摂取は大事ですが、ただカルシウム摂取量だけを増やしても、それだけでは骨折を予防できないと言われています。
カルシウムとビタミンDを一緒に摂取することで骨折が予防できると報告されています。
ビタミンDを摂取する方法は2種類あります。
① 日光を浴びて体内で作られるビタミンD
② 食事から摂取できるビタミンD
この内、日光を浴びて作られるビタミンDだけでも最低限のビタミンDを補充が可能で、目安としては、冬は1日20分~120分、夏は1日5~10分程度、直射日光に当たれば良いとされています。
ビタミンDを多く含む食品にはキノコ類やさば、さんまなどの魚類があります。
なお、カルシウムを取り過ぎると、腎臓の機能が低下したり、腎臓結石ができる、血管などが石灰化する、といった副作用が出ることがあります。
食事のみでカルシウムを取っている場合は、基本的にカルシウムの過剰摂取になることはありませんが、サプリメントでカルシウムを取っている場合、取り過ぎてしまうことがあります。
サプリメントを使っている場合は、1日の目安の700~800㎎を大幅に超えないよう、カルシウムの摂取量に注意して下さい。
運動をする
筋力トレーニングや、ウォーキング、ジョギング、水泳など、種類を問わず、運動は骨粗鬆症の予防に有効です。
閉経後の女性でも、1日8000歩のウォーキングを週3日以上、1年間行うことで、腰椎の骨密度が1.71%上昇したという報告があります。
また、1日30分(歩数でいうと3000歩)のウォーキングと、週2回の筋力トレーニング(腕立てやスクワットなど、続けて8~10回できるようなものからスタートする)でも骨密度が維持できるという報告があります。
できるだけ生涯にわたって運動を行うのが望ましいので、無理のない範囲で楽しみながら運動を続けることをお勧めします。
禁煙する
タバコは高齢女性において骨折のリスクを高めます。
禁煙をすることで脊椎骨折のリスクが低下することが分かっています。
タバコを吸っている方は、いくつになっても遅すぎるということはないので、禁煙をおすすめします。
お酒を飲み過ぎない
アルコールは1日20g(ビールなら500ml、日本酒なら1合)が適量とされているので、普段から適量を意識することが大切です。
まとめ
骨粗鬆症の予防には、カルシウム・ビタミンDの摂取、運動、禁煙、節酒が大事になります。
これらは他の病気の予防にもなりますので、ぜひ日頃から意識してもらえたらと思います。
以上、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
参考文献:
ガイドライン|日本骨粗鬆症学会 Japan Osteoporosis Society (josteo.com)
医学書院「総合診療」2020 Vol. 30 No.10