産業医のおすすめ本【随時更新】

今回は産業医活動に役立つと思われる本を紹介します。

産業医はじめの一歩

題名の通り、はじめて産業医業務を行う先生方にとって役に立つ本です。

産業医の役割と専門性、臨床医と産業医の違いの説明から始まって、健康診断、メンタルヘルス、長時間労働、ストレスチェック管理などについて実践的な内容が含まれています。

産業医の業務は企業の体制や対応によっても介入の内容や強弱が変わってくるので、この本では企業が行うべき仕組みづくりにも焦点を当てており、まだ上記の管理について体制の整っていない企業の産業医を行う方にとって、とても役に立つ内容になっていると思います。

有害物質業務については書かれていないので、有害物質業務に関わる場合は他の本を参照する必要があります。

嘱託産業医のためのQ&A

嘱託産業医向けに産業医業務で遭遇すると思われるシチュエーションに対してQ&A方式で解説している本で、嘱託ではなく専属産業医の先生方にも役に立つ内容になっていると思います。

初めて遭遇する業務やシチュエーションに関して、何から手をつけて良いか分からないといった時にすぐに解答を提示してくれる内容となっています。

私の場合、今の会社ではメンタル対応が主で有害物質業務などを行う頻度が少ないので、そうした業務に関して調べたい時など重宝しました。

産業医ストラテジー

産業医活動に関する教科書的な書籍で全5巻あります。

第1巻には産業医体系の理解、法体制の活用、産業医活動の戦略・実践が含まれていますが、企業の健康課題に対して産業保健職がどのようにアプローチしていけば良いか丁寧に解説されており、個人的にとても参考にさせて頂きました。

ほか4巻も充実した内容になっているので、熱心に産業医活動を行いたい方は揃えておくと良いと思います。

産業保健ハンドブック

産業保健業務を行うに当たって知っておくべき労働安全衛生法を中心とした関係法令、指針やガイドライン、行政指導通達をまとめた本になります。

産業保健に関わる法令等は頻繁に更新されますが、この本を購入していれば最新の内容を漏らさず押さえておくことができます。

値段もお手頃なので毎年購入しておきたい本です。

労働衛生のしおり

労働衛生に関する事項がまとめられており、毎年更新されるので最新の法令等をこちらの本でもカバーできます。

労働衛生コンサルタント試験対策には必須の本であり、有害業務についてもしっかりまとめられているので、こちらも毎年購入しておきたい本です。

産業保健マニュアル

産業保健活動を行うに当たって必要な内容が網羅されており、大型本なので辞書的に使う本です。

産業医だけでなく保健師の方にも役立つ内容となっています。

個々の業務の詳細を調べる際はさらに別の資料を使う必要性も出てくるかも知れませんが、産業保健活動を行っている中で、活動内容についておさらいをしておきたい時など手元に置いておくと便利です。

次に紹介する「産業医の職務Q&A」と比較すると、この本は各項目ごとに法令や指針などが記載されておりそれらを参照しながら業務するのに大変役立ちます。

産業医の職務Q&A

産業医の業務を網羅して解説している本です。

産業医の職務について、原理原則や押さえておかなければいけないポイントが幅広く載っているので、初めて取り組む業務について調べたり、復習のために辞書的に使うと良いです。

上述の「産業保健マニュアル」と比較すると、この本はQ&A方式でより実務に焦点を当てた内容となっています。

メンタルヘルス対応に関してはこの本に書かれている解説よりも、もっと踏み込んだ内容が必要になってくるかも知れませんので、メンタルヘルス対応に慣れていない方はメンタルヘルス対応に関する本も別に用意すると良いと思われます。

ガチ産業医presents産業医のピットフォール

ガチ産業医こと五十嵐侑先生による著作で、産業医が産業医保健活動で陥りがちな落とし穴について解説してくれています。

現場で産業保健活動をしていると、教科書通りに行かないことに数多く遭遇しますが、この本ではそうした産業保健活動の理想と現実を、五十嵐先生の豊富な経験と知識を基に語ってくれています。

ある程度、産業保健活動の経験を積んでからこの本を読むことで「分かる、分かる!」とうなづいてしまうことが多々あります。

産業保健活動の中級者だけでなく初心者にもお勧めであり、あらかじめこの本を読んでから実務に取り組んで、産業保健活動の経験を積んでから再読することでさらに理解が深まってくるのではないかと思います。

産業保健活動は一生懸命やっていても時に手ごたえが感じられず、一体何をやっているのだろうと感じてしまう瞬間が時々あるのですが、私はこの本を読んで熱意ある産業保健活動の先駆者の考えに触れることで、産業保健活動の醍醐味を再認識することができました。

産業保健活動に熱心に取り組みたい方にはおすすめの本です。

ストレスチェック面接医のための「メンタル産業医」入門改訂第2版 「働き方改革関連法」対応

私が初めて購入した産業医向けの本で、現在私が勤めている企業ではメンタル対応が多いので大変参考になりました。

メンタルの面談、休職・復職過程、ストレスチェックなどについて詳しく解説されており、産業医活動ではじめてメンタル対応をされる方にはおすすめの本です。

健康管理は社員自身にやらせなさい―労務管理によるメンタルヘルス対策の極意

出版されてから年数が経っていますが、現在でも大いに読む価値のあるメンタルヘルス対策本です。

著者の高尾先生は医療的健康管理と業務的健康管理の2つの健康管理において、それぞれのあり方とそれらが職場へ与える影響について詳しく解説しており、メンタルヘルス対応に関して目から鱗の内容が数多く書かれています。

産業保健職は不調の社員に対して職場に配慮を行わせることが会社にどんな影響を及ぼすかという視点を常にもっておかなければならないので、それを学ぶ上でもこの本はとても役に立ちます。

心療内科産業医と取り組むストレスチェック集団分析 職場改善への活用手順と実践例

ストレスチェック集団分析について、この本ではケーススタディも交えながら、実践的な活用法について例示しています。

実際に集団分析をやってみると分かるのですが、ストレスチェックの結果が悪く、その原因がストレスチェックのどの要素によるものかということが分かっても、さらに踏み込んで職場の状況を確かめないと改善活動につなげられません。

こちらの本に紹介されているように、集団分析の結果をもとにさらに職場の状況に踏み込んで、長時間労働、マネジメント体制、人間関係などのどの要素がストレスチェック結果の悪化につながっているのかを突き止めることで、人事側も改善への方針が立てやすくなります。

実際は方針が立ったとしても多くの会社では簡単には改善を実現できないのが現実ではありますが、組織アプローチを行う上では集団分析は欠かせません。

集団分析を行う上で手元に置いておきたい本の1つです。

ケースでわかる実践型職場のメンタルヘルス対応マニュアル

産業医の森本先生と弁護士の向井先生の共著です。

前半は職場のメンタルヘルス対応に関して、メンタルヘルスの現状、対応の必要性、休職・復職対応を詳しく解説し、さらに退職勧奨、問題社員への対応、労災認定までについても踏み込んで解説してくれています。

企業でメンタルヘル対応にあたる人事労務の人々向けに書かれている内容が多いですが、産業保健に携わる方にも勉強になる内容です。

後半は様々なケーススタディに対して産業医と弁護士の観点から意見が述べられており、こちらも役に立つ内容となっています。

現場のメンタルヘルス対応について苦慮した経験のある方、より万全な対応をしたいと考えている方にはお勧めです。

写真で見る職場巡視のポイント

業種ごとに職場が写真つきで解説されており、各職場の巡視のポイントがコンパクトにまとめられています。

職場巡視は事前の準備も大事なので、初めて訪れる業種の職場に行く場合は、この本で巡視で確認しておくべき内容をチェックとしておくと良いと思います。

まるわかり職場巡視 工場編

まるわかり職場巡視(工場編)
created by Rinker

有害物質などを扱う工場の職場巡視にフォーカスした本です。

上記の「写真で見る職場巡視のポイント」よりも詳細な内容になっているので、実際に普段から工場の職場巡視を行っている方にはお勧めの本です。

うつのリワークプログラム

虎ノ門リワーク研究所所長の五十嵐先生の著作です。

リワークはメンタル不調で休職した方が再発防止のために療養中に参加するプログラムですが、この本では日本でも最も密度の濃い?リワークプログラムの内容を紹介しています。

虎ノ門リワーク研究所は日本うつ病リワーク協会の認定施設であり、ここのリワークプログラムは全国の他の地域のリワーク施設でも導入されていると聞きます。

興味のある方は読んでみることをおすすめします。

産業保健スタッフのための教え方26の鉄則

Amazonのレビューにもありますが、産業保健スタッフのためと題打っていますが、産業保健スタッフ以外の教育を行う方々にも役立つ内容が書かれている本です。

得てして自己満足になりがちな講義や教育について、はっとさせられるような内容が書かれているので、社員教育に関わる方々にはぜひ読んでもらいたい1冊です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事